ホタテ
はいどーも、
ひろゆきです。
秋口でしたかね、北海道は少し寒くなってきておりましてね。
そんな中、仕事がらみで函館の漁協に寄らせていただきました。
まぁ、仕事も無事終わりまして、せっかく来てくれたんだからって、料理旅館のようなところで宴席を設けていただいたんです。
で、宴もお開きとなるような頃、それまで静かに飲んでいて、結構酔っ払っていたんでしょうね。
私の方を見て不意に、
「今度、函館に来るときには、3月に来てもらいたいなぁ!」
なんて言うんです。
なんて言うんです。
さっきまでおとなしかった人がしゃべり始めたりなんかして。
「3月に来ると、何かいいことあるんですか?」
「そぉ~りゃ、あんた。ホタテの海渡りを見てもらわんと!」
「ホタテの海渡り? そ、それ、どういうんです?!」
「えぇえぇ、えぇえぇ、それは知ってますが・・・。」
「でぇ、たけどあんた。何百何千のホタテがひとつのエサ場にいたって、エサは無くなるわねぇ?!」
「まぁ、そうですわねぇ。」
「無くなると困るから、移動しなきゃならんがな、あんた。
ところが、ホタテはみんなでもって、大量に移動する様が・・・あんた。
えぇ、こうパーっと天気がいいでもなく、と言って雨が降るでもない、ちょうどナンだねぇ、花曇みたいな日かねぇ。
そういう日に、まぁどのホタテが合図するのかねぇ、『浮くぞ』っと、まぁ、こう言うんだろうね。
そうするとあんた、何千何百がバァーっとホタテが海面に浮かんできて、パカっ浮いてるその姿を見ただけでもたまらんけどあんた、そのうちにどのホタテが合図するのか知らないけど、あんた、ひとつがパカァ~っと貝のフタ開けて、まさしく、文字どおりだ、帆立みたいになったかと思うと、あっちでパカァ~、こっちでパカァ~、パカァ~、パカァ~、パカァ~・・・何百何千のホタテがあんた、風を受けながら次のエサ場へ移動しとる様を見たら、あんた・・・たまらんよ!」
「ハァ~~~、それが3月に見られるんですか!?」
「いや、そういうのがあったら、おもしれぇなっと思ってな・・・。」
・・・・・・・・・
それ以来酔っ払いが大嫌いになりました。
まぁスゴいもんですなぁ。
それが、それ、絵が頭に浮かぶから悔しいですね。
ある訳ゃないと思いながらも、段々この、ねぇ。
また、この話がよく出来ておりまして。
直射日光当たるような日だと、これ中が乾きますからね。
で、雨が降ると重くなって沈むから?
花曇りですか?
あー悔しい。
とまぁ、志の輔師匠のマクラです。
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