落語のまくら 13
お日さま、お月さま、それに雷さまが下界に降りてきまして、
お日さま「どうです......お月さま」
お月さま「なんです......お日さま。」
お日さま「こうやって、名所・古跡をめぐり歩くってぇのは、なかなかいいもんだろ。雷様もどうだね。面白いだろう。」
雷さま 「ええ、あたしももう、楽しんでおりますよ。」
お日さま「そうかい。そりゃぁよかった。じゃぁ、今宵の泊まりはここの旅籠にしますか。」
そう言って、一軒の旅籠に宿をとる。
明くる朝になりますってぇと、雷さまだけ酒を飲んじまう。
最も、雷だけに、ゴロツキだからコリャもう仕方がない。あんまり身持ちが良くないもんで、こう、ごろんと横になって寝てしまいました。
目が覚めると、誰もいない。
雷さま 「おーい、中居さん、私の連れ合いはどうしちまった?」
中居 「はーい、お連れのお日さまとお月さまは、もうお発ちになりましたよ。」
雷さま 「なんだい、そうかい。月日のたつのは早いねぇ。」
中居 「雷さまはいつお発ですか?」
雷さま 「俺か、俺はもう一寝入りして、夕立にする。」
雨が多いからねぇ。
傘も要りますよ。